「歌舞伎町で遊ぶならコマ劇前へ！」
遊ぶ男性御用達の『世界の合言葉』でしたが、今は時代が違います。箱ヘルやソープが軒を連ねていた光景とは異なり「明るく健全に」がモットーのようです（箱ヘルやソープ街が風紀を乱しているという訳ではないよｗ）。
その一例がメンエス。セラピストと専用ルームで1対1の“癒し”を求めて、男性客は昼夜を問わずに連日、押し押せているの現実です。
なかでも歌舞伎町からは少し離れたメンズエステ（マンション型）の「美獣 ～Bjoux～」のようにセラピストと隠れ家に籠るようなスリルと緊張感が同時に味わえると評判なのが「美獣 ～Bjoux～」なのです。
この昨12月にグランドオープンしたお店の担当に撮影を指名されたのですから、私のボルテージも上がりっ放しです。多分、営業担当のYさんが「融通が効いて、やりやすい」と推薦してくれたのでしょう。その息を汲んで、私も幾分緊張気味でした。
何せ、まだ各線「三丁目」駅の集合時間まで20分以上もあるのに、通りと靖国通りの交差点に着いていたのですから。
そんなに早く着いても、学生時代からグルグルと走り回っていた周辺はモノ珍しくないので、靖国通りを離れた小さなパーキングにクルマを駐めてYさんを待ちながら車内で暖をとりながら集合時間までヤり過ごそうとしていたんですよ。
すると、“トントン”と車窓をノックする音が…。
よくよく見ると、営業のYさんじゃあ～りませんかっ！
「お疲れ様です。Fセンセイの事だから、この辺に駐めてるんじゃないかと思いまして…実は私も初撮影のお店だから緊張してしまって（笑）」
「早くからお疲れサンです！担当者が緊張していると、現場が引き締まってイイですよ。頑張って仕事を増やしましょう」
2人は、ベストの撮影を誓い合って「美獣 ～Bjoux～」の受付を目指しました。で、揃って店長に挨拶をすると「もう、施術室でスタンバイを終えている頃だと思いますよ。キレイに撮ってやってください！」との事でした。
そして、施術ルームの前に立つとYさんがインターフォンを押して「撮影で来ましたぁ。店長には挨拶が済んでます」と、室内へ。
「おはようございます。今日もまた、寒いですねぇ」
と、迎えに出て来てくれたM嬢はEカップ巨乳に50cm台のウエストと、メリハリの利いた美形タイプでした。担当Yさんが、撮影スケジュールの段取りを説明している間に私は高級ワンルームタイプの施術ルームにストロボをセッティングします。
単体のスチール撮影では、その場限りの“光量”をキめて正面から照らせばライティングは終了ですが、動画撮があるのでそうはいきません。
スチール写真撮影の絞りをデータにして、私はE嬢の肌目に合わせたライティングを試みます。彼女は“色白肌＋凹凸のギャップ美”が滑らかなので、私は自然な光を充てました。補助光として、Yさんにレフ版を移動しながら施術シーンを追う事にします。
「では、（スタッフの）男優サンの準備ができたので、『本番、スタート！』」と掛け声をかけて動画を回しはじめました。
M嬢は、オイルを使って丹念にお客モデルの脚部、上半身、手掌等々と施術していきました。
私個人としては、手の指を互いに「恋人繋ぎ」するようにしてコリをほぐしていくスタイルに“やすらぎ”を感じました。
こうして撮影を終えて「商談していく」と言うYさんと別れた私は、靖国通りから順天堂病院を抜けて国道４号線を流して帰って行きました。
